私が生きているのは、ただ、
失くしたものを、探さねばならないからです
―尹東柱(Jung Dongju)
BBOY HATTが尹星雲(ユン・ソンウン)と出会ったときのエピソード。
彼のインタビューhttp://project01foroneworld.net/sample3/
で彼が英語で語っています
あるダンスバトルでのこと。
この先の未来、日韓の新しい友情があることを祈り、
韓国語(その下に日本語原文)で書いてみました…
BBOY HATT.&JUNG SEONG UN
그 파이널은 그 한국인이 (이름은 잘 모르겠지만) 아무튼 이긴 것이다.
그의 춤은 새로운 시도가 번번이 실패하고 미완성으로 끝났다
아무래도 납득이 안 되었다
이겼는데도 “불복”. 우승했는데 “불만”과”항의”
이런 우승을 받아도 의미는 없어…
나라는 존재가 더 작아보이고 더 바보같아졌어.
그 때였다.
“이봐! 어이어이. 잠깐만. 기다려.”
뒤돌아보면, 조금 전의 “우승자”인 한국의 댄서가 이쪽으로 달려온다.
“너..이겼어. 이겼다고. 네가 이긴 거라고!”
“왜?”
“나는 알아. 넌 새로운 기술을 하려고 한 거지. 그 스킬이 어려웠기 때문에 완성도는 낮았지만 심판은 그 도전정신에 손을 들어준 거야.”
“하지만 나는 실패했어! 실패투성이였어! 넌 완벽하게 춤을 췄잖아.”
“..아니, 너 한국어 할 줄 아는구나?”
“공부했어, 배틀에 한국인이 많으니까 너희에게 지고 싶지 않았으니까”
“내 춤은 평소 추던 것과 같이 별로 바꾸지 않았어. 같은 루틴으로 한 거야. 거기에 약간 어레인지(편집)를 더해서
들키지 않게 하려고 했지만 모두는 알았던 거야. 정말 댄스는 어려워. 나는 졌어.
“아니, 너는 정말 열심히 했어. ”
(일본어)
「お前だって全力だっただろ!!」
(너도 정말 열심히 했잖아!!)
「・・・つーかなんで、お前日本語しゃべれんの?」
(…아니 너 일본어 할 줄 아는거야?)
「それは俺の勝手だろ!」
(그건 내 맘이지!)
인정해. 너는 우승자야. 넌 이겼어. 뒤를 보지마. 앞을 봐. 회장으로 돌아가.
너를 모두 기다리고 있어. 너의 그 해트트릭한 댄스는 성공하는 때가 오면 더 평가받을 거야.
“하지만… 나는 그……”
“이것도 저것도 아니야!! 나도 정말 피곤한데 적당히 해. 자신을 비하하는 것은 댄서에게 좋은 것이 아니야.
자신을 비하하는 것도, 자신을 과대평가하는 것도 둘 다 댄스에는 좋지 않아.
널 댄스가 부르고 있어. 나는 알고 있으니까.”
“알았다. 나에겐 네가 승자야. 너에겐 내가 승자다. 그러니까 둘 다 이겼다, 라는 것으로 하자”
“맘대로 해.회장으로 돌아가자.”
花知鳥待花。
꽃은 새를 알고, 새는 꽃을 기다린다…
문득 그 말이 오랜만에 다도의 선어가 마음 속에 용솟음쳤다.
正一, 즉 BBOY HATT의 눈에는 아직도 눈물이 고여 있었다.
정말이지 PROJECT01에 관계된 녀석들은 정말 눈물 많은 녀석이 많아…
왜인지 그 한국인 남자와 서로 어깨동무를 하고 두 사람은 회장으로 돌아갔다.
그 사람의 이름은 윤성운이라고 그날 알았다
(日本語訳)
あの時、正一は悔し泣きしながら会場を出た
自分のDANCE CREWにも何も告げず会場の喧騒を後に、とぼとぼと帰路についた
「俺は負けた。なのに俺は勝った。なぜなんだ?」
あのダンスバトルのファイナル、そのために準備してきた帽子を使った巧みなトリックは、成功すれば
彼の名が付くほどの新しい技で、(のちに彼がbreakin’magicianと言われるようになった由縁でもあるが)成功させて、今度こそ韓国勢に勝てるという自信作でもあり勝負作でもあったのだ
正一はあの頃ものすごい勝負欲が強かった
もともとやんちゃで力を持て余していた少年だった彼が、自分のパワーをありったけに使えるものを見つけ出し、それがブレイクダンスだったなら、それに火のような情熱を持つことは彼にとってしなければすまないことだった
でもそこにいつも韓国のチームが、韓国のダンサーが立ちはだかる
正一はいつも彼らに負けていて、そして勝ちたかった
彼は本当は自分の中の劣等感を消し去りたかっただけなんだけど、
その時はそれに気付かなかったし、劣等感を持つ必要もなければ、仮にそれがあったとしても
バトルでそれを解消する必要もないことも、知らなかった
だけど、負けは負けだ
正一は負けず嫌いだったし気性も荒かったけど、
セコイ人間ではなかったし、ずるしてまで何かに勝りたいと思う性質でもなかった
あのファイナルは、あの韓国人が(名前は良く分からんが)とにかく、勝ったのだ
彼のダンスは、新しい試みがことごとく失敗し、未完成に終わっていた
どうしても納得がいかなかった
勝ったのに「不服」。優勝したのに「不満」と「抗議」。
こんな優勝をもらっても、意味はない…
自分というものがもっと小さく見え、もっとあほらしくなっていた
その時だった
「おい!おいおいおい、ちょっと待て。待って。」
振り向くと、さっきの「優勝者」の韓国のダンサーがこっちに走ってくる
「お前…勝ったんだよ。勝ったんだって。お前が勝ちで良いんだよ!」
「なぜ?」
「俺には分かった。お前は新しいことをしようとしてただろ。そのスキルが難しかったから完成度は低かったけどジャッジはその挑戦意欲に軍配を上げたのさ」
「でも俺は失敗した!失敗だらけだったんだ!お前は完璧に踊ったじゃないか!」
「・・・・つーかなんでお前韓国語しゃべれるんだ?」
「勉強したんだよ、これでも。バトルで韓国人が多いから、お前たちに負けたくなかったからさ」
「俺のダンスはいつもの通り。あまり変わり映えはしていない。同じルーティンでやっていただけさ。そこに少しアレンジを加えて、ばれないようにしたつもりでもみんなにはわかったんだ。つくづくダンスは難しいよ。俺は負けたんだ」
「いや、お前は全力でやったよ」
(日本語)「お前だって全力だっただろ!!」
(日本語)「・・・つーかなんで、お前日本語しゃべれんの?」
(日本語)「それは俺の勝手だろ!」
「自分を認めろ。お前は優勝者だ。お前は勝った。後ろを見るなよ。前を見ろ。会場に戻れ。お前をみんなが待ってる。お前のあのハットトリックなダンスは、成功する時がくれば、もっと評価されるよ。」
「でも・・・俺はあの」
「あのもこのもないの!!俺だって疲れてるんだから、いい加減にしろよ。自分を卑下することは、ダンサーにとっていいことじゃないぜ。自分をばかにするのも、自分を王様だと思うのも、どっちもダンスにとっては良くない。お前のことを、ダンスが呼んでるぜ、俺にはわかるから・・・」
「分かった。
俺には、お前が勝者。お前には、俺が勝者だ。で、どっちも勝った、ということにしよう」
「勝手にしろ。会場に帰ろう。」
花知鳥待花。
花は鳥を知り、鳥は花を待つ…
ふとその言葉が、久々に茶の禅語が、心の中に湧き出した
正一、つまりBBOY HATTの目には、まだ涙が溜まっていた
まったく、PROJECT01に関係する奴らってホントに、涙もろいやつが多い…
なぜか、その韓国人の男と、肩を抱き合って2人は会場に戻った
その彼の名前は、尹星雲だと、その日に知った
artwork:©copyright2018花芳香
writing assistants:LEE DAE HEE,JADE KWON