BTSは復活するか、そこから見えてくるKPOPの抱える課題
世の中は生々流転しているし、また非情でもある。いくら休止と言っても、ここまで早くに世間から去っていくとは思わなかった。あれだけの人気を誇り、地球上、惑星上最も成功したスター、グループが、である。
それほど、アイドルなんて大したものではないのかもしれない。アイドルとはその時を楽しむためのエンターテインメント。瞬間的に輝けば十分なのだ。クイーンやマイケルのように、ずっと惜しまれて、ずっと聴き続けて、ずっと愛され考察され売れるようなものではないと。
それにしても早い。コンビニからはあっという間にBTS関連のタイアップ商品が隅にやられ、売り切れ続出だったものが一つも売れず、TTや21は、正直現時点でもう完全撤退。
本当に休止・脱退・メンツチェンジ・もちろん解散やスキャンダル等はちょっとのことでも人の人気を容赦なく落とすし、いくら「BTSはソロ活動に入ったのだ」と言い張っても、彼らの最初の声明やそれ以前にずっと言い続けてきた彼らの苦しみ苦悩などを見れば、ソロ活動なんて聞こえのいいことをいっても説得力はもはや全くない、とわかってしまう。
それでも個々の人気とファンダムの大きさから、そう簡単には消えることもなく惜しまれて惜しまれて、かと思いきや、人々の視線や注目度は BTSというブランドでなければ下がっていくということは、わずか一週間ほどでもうすでに明らかだ。
休止だろうがソロ活動だろうが、止まってしまえば注目度は一気に消える。ソロでも何でも、7人がいて一つの輝きだったという色合いが強かったBTSはその点特別で、そう簡単にソロ活動が受け入れられるとは思えない。相当のファン以外は、BTS、というブランドにこそ惹かれてきたのであり、BTS停止はファンダムにとってそれがすでにもうない、つまり解散と同じようなもの。
休止であれソロ活動であれ、問題は終わらせ方である
BTSの不動ともいえる世界的ブランド力が休止によって一気に落ちたのは、休止であれソロ活動であれ一時お休みであれ解散でさえあれ、最後のしめの具合のわるさだろう。
見ていて誰も気持ちの良い休止ではなかった。彼らはどちらにせよ兵役も近いし、グループが分離するのは時間の問題で、それまでなるべく一緒にできることはやろう、となるはず。それがこんな唐突にやめまーすというのは、よほどの理由があるのだろう。
よほどの理由とは私がずっと見てきて思うに、もう彼らが疲労の極限状態で、正直自分たちでも何をしているのかわけがわからなくなっていることである。そして自分たちのアイデンティティは完全に喪失していて何がBTSなのかも、わからなくなっているので、ぶっちゃけ言うとあの会見でさえ、何を言っていてどこへ向かっているのかなど誰もわからない無茶苦茶な気持ちだったと思うし内容を思いだすこともできないだろう。
あのような不自然で最後まで事務所の言いなりになりました的に一つの終止符を打ったことは、彼らのイメージを大きくダウンさせた。そこまで忖度するなら、いっそのこと円満に、楽し気に仲良くソロ活動しまーすと言って休みに入ればよかったものの。暗い影が潜んでいるのを誰もが見たし、相変わらず事務所の言う通りにしか動けない無力さ。未来への展望のなさと明るさのなさ。一体君たちは何なのか?
こうなればあまりにもイメージがダウンするので、スポンサーは次々に減るし、ファンも減るし、注目度も次第に消える。後味のわるいなんとなくフェードアウト、というグループとして片付けられるのがおちだ。最後のしめのところを、大事にするべきだったが、それもできないほど、彼らは疲弊していたのだろう、完全に自分たちを見失っている。
事務所に逆らえないKPOPというシステムが、BTSさえもこわす
あえていれば言葉を濁したものの、ナムジュンが初めて自分たちが自分たちらしく成長していく時間がないということは問題だ、というようなことを言ったことだ。こんなものでも、反旗を翻したのを見たのは初めてだ。本当はもっと言いたいこともあっただろうけど、もっともっともっともっと事務所に不満があるのだろうけど、それは言えない。だから一般論にしていたが、彼が何を言いたいのかはよ~~~~~~くわかった。
それでも事務所に意見する、モノ申すことができない、あそこまでの力を持ちながらも、事務所に文句は言えない、事務所の言う通りにしかしない、これがなぜなのか、私にはわからない。もっと言えばなぜ事務所を辞めないのかもわからない。恩義が相当あり、貸しが相当あると見えるが、それ以外のことも考えてしまう。はっきりいってあの会社はBTSなしでは潰れるが、だからこそBTSはどうとでもできる、ある意味会社より優位にあるのに、それでもいっさい反抗しない。社会に対する反抗と疑念を真向から歌い、自分らしくあろうと主張したラップをしてきた割には自分たちは、会社一つにも反抗というより意見さえいえない。
それって、かなり矛盾してません?
ソロ活動といっても、しあわせそうじゃないから成功しない
なぜそんなにも事務所が強いのか?事務所を作ってまったく新しい舵を切ることもできるのに、しないのか。温情もなく冷徹なまでに人間関係に冷たく合理的な韓国人が、なぜそこまで忖度しまくるのか?
最後まで事務所に忖度した彼らは、休止がやばいとなると必死に「ソロ活動」と言い張り、会社の言う通りにした。そのソロ活動も何を意味するのかどういう方向性なのか、明確な明るい展望計画創造未来が見えてこない。
第一誰も幸せそうでもないし、円満に休止したわけではないことは彼らをみれば一目瞭然だ。
ソロ活動を楽しみにしていそうな人は誰もいなかった。本当に誰も幸せそうには見えないどころか不幸のどん底みたいな幽霊みたいな感じだ、最近のBTSは。すべてを手に入れて置きながらこれじゃ、一体人の幸せとはなんなのだろうと考えてしまう。
彼らにはカネがある。事務所にはカネがある。だから、いざソロ活動をしようとなれば今日からでもまたまた欧米の有名人と組ませて、沢山の横文字の名前のプロデューサーを呼んできて、さっさと編集アレンジ制作してティザー作って販売もできるだろうし、そうやるだろう。いつもそうやってゴリ押しするのがあの会社のやり方だからだ。これでもかというほどカッコよく彼らを編集して動画を見せつけるだろう。それを繰り返すだろう。
でもだからなんだろう?今の時代上手い編集くらい誰でもできる。
もしかしたら最も新しいのはセルフプロデュース型JPOP
今の時代セルフプロデュース能力があるかどうかが決めてで大物プロデューサーの時代などとっくに終わった。そのあたり、ある意味JPOPの方がよほど進んでいる。KPOPやアメリカはまだまだ権力におもねる傾向があり、事務所が何でも決めてしまう。JPOPには(私は1から100までKPOPなので日本の芸能界は知りもしないが)、日本の芸能界になんとなく感じる古くからの体質への形骸化がまだまだねっとりくっついていて、新しいチャレンジがそうそうできそうもない。それをぶちこわしてきたのが、金も権力もコネもないけど、最低限の機材と音楽好きという気持ちがある若者世代のネット配信だ。これは巨大なブレイクスルーになった。
今までのような誰が偉いとか、大物プロデューサーが偉いとかいう固執し形骸化した古い体質ではなく、またそれとは別個の次元で、どんどんこれからも新しいセルフプロデュースが生まれてくるだろうし、それが音楽世界を変えていくと思う。
さて形骸化されてない代わりに金と権力とコネと絶対的才能と実力でできている韓国エンターテインメントでは、そのどれかがあれば、かもしれないが、もっと自由にこんなこともあんなこともどんどんチャレンジしていこう!!というすごく創造的ダイナミックなパワーがある。だからこそ私なんかも関われたのだ。しかしJPOPほどセルフプロデュースを尊重する向きはない、皮肉なことに日本の芸能界が窮屈であればあるほど、先進的な人たちは有名かどうか、誰がプロモしてくれるか、誰かバックに権力者がいるかなんかまったく関係なく、まったく勝手にネットで配信し、自由な創造が生まれている。
先にも言ったように韓国は自由でダイナミックなチャレンジを好むが、その一方で、ものをいうのは上記のあれこれだからだ。またアメリカもはっきりってダサいし古い。まだまだ昔のやり方で形骸化している。
今新しいのは、日本やヨーロッパや他のアジア圏の、金がなくてもおうちプロデューサー、がネットで人気を取っていくスタイルではないだろうか。
BTSは終止符の打ち方でその後も決まる
あれほどタイアップ商品を出してたファミリーマートからゴミのように扱われているTTや21、いきなり売れ残るガムやコーヒー。タイアップ商品を準備してきた会社としては大きな損失に頭を抱えているだろう。これは彼らをあまりにも巨大な商品化した企業の責任でもあるが、こう休止だとかソロ活動とか解散とかいろいろわけがわからない不安定なグループは、ブランドとして形成されないので今後はタイアップやCM起用も相当減るだろう。(輝かしいカムバックでもなければ)
ネットは見ないからおそらくメルカリなどでもグッズはことごとくBTS価格は激安になり、逆にレアものとしてオークションさながらに高騰しているものもあるかもしれない。
いずれにせよ興味を示すのは今更ファンになったという極めて珍しい人か、いつか高値になると読んでいる人か、あるいは好きすぎて思い詰めてるファン以外買う人もいないだろう。
物販系があまりにも大量に量産されたので、あまりにも大量に売り捨てられ、最後には大量に廃棄されていく。ある意味では残酷なアイドルという世界を象徴してもいるが、ある意味では国連までいったグループがどうでもいい商品を大量生産大量廃棄などと環境に極めてわるいことをするのもまたイメージダウンになる。それはもちろんBTSの戦略ではなく彼らの望みでもない。彼らの知らないところで勝手に制作され売り飛ばされてきたものだ。彼らは本当にあの手この手で金と名誉とプロパガンダかと思うような領域にまで利用された。これで、解散を選ばないで今後もニコニコしている方がどっか頭がおかしいといえる。
実際、自分たちが自分たちでなくなってきていることを苦労しはじめたのはもうすでに2017年から明らかだ。それでもあの頃はまだ、偶然としての疲労でしかなかったのが、今では商品として、多くのアパレルやブランドのイメージキャラとして、傀儡として、政治道具として、世界中あるいは地球上のファンを勇気づけなければならない何かとして存在することを強要されている。これで、平然としていられる人がいるだろうか?
なぜ、2017年の時点でもっと彼らの声を聴き、もっと彼ら自身が自由で自然であることを許すことができなかったのだろうか?
物販で売りさばくアイドルシステムをやめよう
またグッズを必死に集めてきた人たちが困っているのも想像ができる。が、半分はそもそもそれでマウントしあっていただけではないだろうか?これを機にアイドルの物販と環境やSDGsについても考えてほしい。いい加減、どうでもいいようなキャラクターを次々作っては売りさばくのはやめてほしい。どれほど大量の消費が行われ、それはほとんどいじめや競争、嫉妬や戦い、比較や優劣、自己満足のために存在している。それをわかっていて消費者をくすぐり、ますますグッズを出す。これはもう、やめよう。
誰がBTSを今後も応援するのか?
まだアーミーを続けるのは本当に忍耐のあるファンだけ。
確かにこれからも応援すると誓っているARMYは沢山いるだろう、けれど人はとっても忘れやすいし冷めやすい。今は泣くほどに悲しくても、だからこそ、そこを上手く狙ったグループをまたせっせと作っているそれがエンタメ業界の容赦ないところ。
おそらく残るファンいるとすれば、古くからのファンに多いだろう。なにせBTSはスキャンダルではなく問題やトラブルがすごぶつ多かったグループで、最後までファンを不快・失望させることが非常に多かったもんだから。それでも長い間、その苦しみを超えてアミを続けた人ならば復活を待てると思う。
ただ私から見れば、BTSはファンを不快にさせているつもりはないのだ。むしろあまりにも完璧主義的、下手なものは見せたくない、絶対にやらなければならない、という韓国人特有の競争意識と負けず嫌い、プライドが強い。それが逆にアミを怒らせる失態になってしまうこともある。
BTSイルアミはバンタンを日本人の彼氏のように考えている人が多いが、基本日韓の文化の違いは大きい。
意識、価値観、生き方の優先順位、生き方のやり方マナー、一般的意見、方法がことごとく違うことを、まず理解しないとファンは続かない。で、不満や失望ずれのほうが膨張し、ずっとそれが起きてきたといえる。
その辺は今後もイルアミが思うようにはBTSは動かないことは覚悟したほうがよいだろう。
長い忍耐の末のアミ続行、そしてこの危機にあっても彼らを待ち続けられるさらなる忍耐と、韓国という文化そのものが日本と大分違うことへの理解があれば、そしてBTSへの大きな愛があれば、それ人達が今後BTSを支える真のアミとなる。おそらく彼らは今自分のことさえ、どうなってるんだかめちゃくちゃの状態だと思う。精一杯生きるのにやっとだと思う。だからまたここでイルコンをしないとか大騒ぎなどしないで、彼らが苦しんで苦悩してきたことを鑑みて、彼らをここでまた広い心で見ていてあげよう。これからもしばらくそういうことは続くと思う。何かやらかしがあることは、覚悟している。ソロもさんざんかもしれない。歳もとるし、しわもできるし。。。それでも。それでもそれでもBTSを愛する、そういう人しか、もう残らない。
あれはいい終わり方ではないし、事務所とBTSが良くわからないあやふやな関係なので、ファンにとっては疑念や不満の方が正直大きく広がっている。かなり大きいと事務所も覚悟すべきだろう。でもそれでも、愛する人だけがアミとして残り、BTSを支えるのだ。
BTSロス~BTSがいないってやっぱかなりショックだね
ただここまで休止であろうが、ソロ活動であろうが全員が揃わずBTSという一つの希望がこの世から消えたことのショックというのは後から考えると大きいものだなと実感した 。
「BTS がもうないんだな」ということ、あるとどんなに言いはっていても、今は実際ないわけです。
未来も誰もわからないわけです。彼らが未来においてBTS再開と宣言して活動しない限り、BTSは実質もうないわけです。名前だけどこかにあるような感じで。
だから実質解散しているのと同じようなものだが、それほどに大きいインパクトを与えているということを事務所や本人たちは分かっているのだろうか?