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2022年6月BTS休止が意味するもの示唆するものもたらすもの③

BTSが休止するのはこんなにかなしい。休止はそれ以上にネガティブな事態やイメージダウンを作らないようにするための苦肉の選択にしか見えない。ソロ活動?この時期なら一種の言い訳だ。

かなしい。
と、こんなにかなしくなるとは思わなかった。
こういう時は彼らが大人になれば来るとは思っていたけどさすがに早すぎたのと、理由が曖昧すぎる。
この休止・ソロ活動と事務所が主張する休止について、幸せそうな顔をしているメンバーがいるだろうか?
それだけでも、論争があったことは否定しようがないし早期の休止は不本意なことだという意味だろう。

Tシャツ事件が「大好き」で、平和など、広島や長崎のことなど日頃ろくに考えていないのにあのTシャツ事件だけはやたらにどうのこうのと反応し、正義でも振りかざしているように装ってジミンをいじめている人たちやBTSが大嫌いな人には朗報だろうが、

かなしみの大きな原因は、そもそもこうした休止というのは、なかなか元には戻らないということだ。つまり、前にも書いたけれどKPOPにおける休止とは実質、解散・・・という可能性が極めて高い、少なくともうまくいっていないし、今後もいい状況にはならないだろうということを示唆している。

けれどもやめるということ自体マイナスのイメージがあり、かつ活躍の場を大きく失う可能性もあるので解散とは絶対に言わず、擦り切れたような状態でなんとか体裁だけ、あるいは名前だけ残して休止を続けているグルもある。とにかく内部事情がどうであれ、解散とはしたくないのだ。ましてや世界的に大きくなったBTS解散では、あまりにも大きな影響が方々に及ぶ。

ある天才ボーイズグループの不条理な解散から、KPOPの現実を考えてみよう。

かなしみの理由には、私自身にとってトラウマになっている経験のせいもある。以前私は天才としかいいようのない凄いボーイズグル―プと一緒に制作活動をし、共同事業をしていた。彼らのダンスは、最初一瞬見ただけで魅了されるものだった。同じものを何度見ても感動しかない。後になって、ダンスの動作分析のため、日本でも活躍しユ●●ロのCMに出てるダンサーとすべて彼らのダンスを見てムーブ分析したが、彼もため息が出るほど絶妙かつ凄い技のダンスなんだそうだ。プロにも完敗と言わせるほどのダンスを披露してきた彼らは、当然政府も目をつけていたらしく、政府関連の文化事業にも参加して韓国そのものをプロモーションしてきた。そしてもはやアイドルとしてはあまりにも飛びぬけていて、その枠にはまれないので、世界進出をした。ダンスカンパニーというようなかたちで世界に出ていったが案の定、世界のダンスコンペティションで世界一賞を取った数が多いことでこれまた話題になるほど活躍した。ちなみに日本の大手CМ広告にも出ているが、その撮影だけでも大感動して心が圧倒されるほどの美しさ。こうして、彼らは会い阿ドルとして女子の押しを得たのではなく、本当にアートやパフォーミングアーツ、ダンスを愛する人たちから大きな注目と絶大な人気をほこった。この世界で知らないものはいなかった。

人気絶頂、評価も世界最高レベルに達していたのに、休止に追い込まれた彼らの事情とは?

ところが、ひょんなことからこのグループは「休止」に転じる。まだまだ可能性もあり若く強く感性も磨かれつつあった頃に。休止になった本当の理由はわからない。絶対に口を割らないからだ。ただ、数年たってグループを出た元メンバーがあれは金銭トラブルだったとちらっと語っている。それだけである。ただ、休止を迎える時はほぼ100%そうなように、グループ、あるいはグループと事務所やプロデューサー側との仲は険悪で、絶え間なく論争が続いていたようである。彼らは決してそれを言わなかったが、ステージに集中できない、なげやり、暴力化、思いやりの欠如、風紀の乱れなどで、彼らが追い詰められていることはわかった。

そしてとうとう、折り合いがつかず、複数人のメンバーを実質やめさせてしまい、このグループは解散した。ここでもまた解散とは絶対に言わなかった。今でも言っていない。何もしていないのに、ホムペも止まっているのにである。ただ、主力メンバーとその他とプロデューサーとが話がつかず、どうもやめさせられた側の責任にされて追い出されたような感じだった。

これは世界のファンに大きな失望とショックを与えた。彼らのダンスはほんとに世界一級で、見ていて強い命の躍動とパワーと希望と生命力と創造性と感動を与えるものだったからだ。次を楽しみにしてきたファンは、一斉にかなしみのコメントを寄せた。どのSNSでもそのショックは多く書かれた。そして何がどうなって休止になったのか、一大論争も起きた。とにかく、皆の失望がどれほどに大きかったか。私にも信じられないことだった。

一度失ってしまったグループの調和は、タイミング次第ではもう二度と元には戻らない。

あの天才グループ、不世出のグループ、もう彼らのダンスは見られない。もう彼らが一つになることはない。もう彼らの創作で感動するときは来ない。

仮に何年もしてまた再結成したとして、また同じように素晴らしいアートを作り出せると誰が約束できるのか?歳は取っているし、一度もめた荒れた同士がどうやって歩調を合わせるのか?ダンスはとても繊細な芸術だ。ちょっとの感情も不調も好調も、すぐに反映されてしまう。そして特にグループでやっている以上、調和が絶妙にとれていなければならない。心臓の拍動がそろっていなければ同じリズムは刻めない、つまり一緒に創造できないのだ。あの頃彼らのハートはお互いを必要とし、一つであり、結束していることを誇りにさえしていた。そこで生まれた、心臓の拍動の完全な調和が、次々と新しくまた素晴らしく世界に一つしかないオリジナリティあるダンスを生み出していった。

今更また再始動したところで、もうすでに彼らの心臓の鼓動はそれぞれに鳴っている。ソロ活動に入るとはそういうことだ。それぞれ成長していいもの作れるようになって帰ってきますと言えば聞こえはいいが、いざまたそろえるとなると、うまい人たちはそれなりに合わせることはいくらでもできるが、もう調和のとれた芸術にはならない。もうともに同じ💖ハートで創造することはできない。例え各々が立派に成長し進化し躍進しても、もうカラーがスタイルが方法が違ってきてしまったら、合わせること、一つになることはできない。

人間の変化とはそういうものだ。人に変化はつきもので人は常に変化しているが、変化はいいことばかりではない。変化は多くの場合、現状という甘く温い状態から否応なく突き放されることを意味する。大人になればなるほど、変化とはそういうものになる。

やめるなら、さっさとやめれば、という風潮をKPOPのみならずすべてのパフォーミングアーツや
芸術の世界からなくしてほしい。

そしてあの時愕然としたのは、一から彼らを育成してきたプロデューサーが、悲しみながら、大きな悲しみ悔しさを抱えながらも、やめていく者たちをさっさと突き放したことだった。少なくともそう見えた。多くのファンにもそれはわかったようで、やめていったメンバーに対する同情とカムバックしてほしいという熱情はしばらく続いた。そして一方で休止として残ったグループに対しては、冷めた目で見るようになった。

私はこの解散、事実上の解散がやってくるまでに彼らにめちゃくちゃ説得した。

離れてはならないのよ!今の気分や感情だけで決めないで!
あなたたちにしかできないことがあるのよ!あなたたちはどれほど愛されているのか気づいて!
あなたたちは天才なのよ!一つだからこそできることもあるの、一時の怒りや意見の相違だけで決めないで!

そしてプロデューサーにも大いに責任があるのを感じた。でもそのプロデューサーは私から見ればとても冷徹だったので、何を言っても無駄だった。

結果、大成功してきたある天才ダンスグループは休止つまり解散となった。そして、この地球上から他に同じものは絶対に作り出せない素晴らしい芸術は、消えた。次第にファンもカムバックを諦めるようになり、要望を言わなくなった、書かなくなった。そしてそのうち、話題にもならなくなった。数年たつと、もうそんなのがあったのかというほどに、忘れられた。新しい人新しいグループ新しいダンスカンパニーなどは、どんどん出てくるものだからだ。

今は騒がれても、そのうちに忘れられていく。BTSでもそれは同じ、人気者の運命。

人はそんなにずっと同じものについて考えて追いかけ続けるわけではない。BTSといえども、すでに物販が売り切れから売れ残りに転じたように、おそらくhybeが想像していたよりもはやくに人気は去っていくだろう。おそらくTwitterなどからもトレンドになるのはせいぜいここ数年で、またつぶやきの数も激減していくだろう、そしてアイドルに夢中になる世代は、BTSってなんですか?というようになる。そういう日はすぐに来る。

彼らにはそうした世間の非情さ、ある意味流れの早さや流行の変化の激しさ、トレンドの変化の激化、などがわかっているのだろうか?年間一兆円近く稼いできたという実績にまだ胡坐をかいて、僕らに限っては忘れるものなどないと思ってはいないだろうか?でも一方で彼らはいつも、自分たちがあまりにも急にビックネームになって世界的になって人気になったこと自体をおそれていた。そしてそれはあまりにも急激すぎたので、あまりにもあっけなく下がっていく、落ちぶれることになるのではないかと、その時の自分たちを想像するだけでもぎょっとすると言っていた。だから最初から分かっていたのかもしれない。私が考えるほど天狗になっているのでも、いい気になっているのでもなく、周囲が見えなくなっちゃったわけでもなく、周囲については意外と冷静で、彼らが見失ったのは、他でもない自然体の自分たち、だけなのかもしれない。

辞めていったメンバーの大躍進と、残されたグループの凋落

不本意ながら解散(休止)したあの天才グループは、結局あの後私がさんざん主張したように、転落していった。人気は落ち、集中力も落ち、意欲をなくした。ハートの鼓動はもう全く聴こえなくなった。いろいろとプロデューサーが売り込みをしていたが、どれも失敗に終わった。そして、わるいイメージだけを残して消えていった。芸能芸術の世界は人気商売なだけに、どれほど実績や才能があっても、イメージキャラがわるければ人気も落ちる。努力は報われない。一方で、不条理な形でやめていったメンバーは、個々人での活動をすると宣言し、それぞれに活躍している。もうステージに直接立つことはない人もいるが、中でも際立っての天才と言われてたあるメンバーは、猛練習、もう死ぬほどの猛烈な練習の末に、誰も注目しなくなったゼロからのスタートを切り、ちゃくちゃくとステージやジャッジやディレクションや、何でも仕事をこなし、そして圧倒的なパフォーミングで世界を魅了した。孤独だったが、一人で頑張ってきた。うちの元旦那も、彼を支え続け何かとイベントなどに召集した。そうこうしているうちに彼の人気はまた次第に上がってきて、大きな文化事業のオオトリを務めるまでになった。彼は今や、韓国パフォーミングアーツの世界の代表であり伝説化、殿堂入りする勢いである。もちろんその明るい性格によって、多くのKPOPボーイズ達の憧れと尊敬の的であり、彼を知らないKPOPボーイズはいないだろう。彼もまた、今ではKPOPでもダンスでも新種競技でも、多くの後輩に教えまくっている。

一番苦しめられた人が、現在一番成功しているどころか、韓国の芸術界を引っ張るレジェンダリーな存在になっている。人生とはそういうものだ。そして彼を不当な扱い、冷遇した人々が転落するのは、当然の報いでもある。

私が言いたいのは、KPOPはこうして、どうしてもグループメンバー内や、グループメンバー対制作や経営者側の意見の相違と、プロモーションやプロデュースする側のアーティスト軽視の傾向から長続きしないという問題があるということだ。しかもまだまだ伸びている時期に解散に追い込まれていく若者は少なくない、どころか多すぎる!!それは韓国の芸術界にもKPOP市場にも決して良くない傾向だ。

これからのBTSは?ソロ活動をするならば、メンバーがまたそろうときのタイミングを考えて!

BTSがソロ活動に専念するというのは、先にも言ったように事務所の方の解散や休止というイメージダウンの回避戦略であり、本当にソロなど本気でやりたいのかどうかも分からない。そして長々ずるずるとソロ活動をしていると、いざメンバーがそろったとしてももう同じように「心臓の拍動をぴったりと合わせる芸術」を生み出せる可能性はほぼ、ない。すべてのことにはタイミングがある。このタイミングというのは天の配剤で、人間にはどうにもしようがない。努力すれば歩調が合うわけではない。努力すればまた一つになれるわけではない。むしろ努力すればするほど、違う自分がそれぞれに見えてきて、大きくなってきて、お互いに意見をすり合わせることができなくなるかもしれない。

BTSというグループを愛している人々にとっては、だからメンバーがそれぞれに最高レベルのアーティストになったとして、それぞれに売れたとしてもあまり感動することではない。望んでいるのは、BTSという宝石が生み出している輝きだからだ。一人一人の個性ではない。だからソロ活動で成長するというのを聞いて、まずいなあと私は思った。大きく成長する代わりに変化しすぎて、もうグルとしては波長合わせできなくなるくらいなら、BTS自体を愛している私には、家でゴロゴロしていた方がいいかもしれないとさえ、思う。

だからもし本来のBTSの輝きと絶妙な調和をまた創造する気ならば、実力磨きと休暇を取るぐらいにし、心臓の拍動を合わせられる程度にソロで活動して、なるべく早く7人が揃うことを願っている。何度もいうが、タイミングはいつでも開いているわけではない。むしろ開いていない方が多いのだ。だから、聖なるタイミングで生まれたBTSという宝を失わないためにも、7人はこれからもなるべく一緒に生活し、語り、創作し、歩調を合わせ、夢を維持し、目標を立て、一緒にいる時間を持ち、そして心も拍動も身体動作も離れないようにすべきだ。もし本当に心から今でも、BTSはずっとBTSでいたいのだ、一緒なのだ、一つなのだという愛が本物ならば。

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