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2022年6月BTS休止が意味するもの示唆するものもたらすもの②

私の知る限り、KPOPにおける休止・メンバーチェンジ・内部論争や内部競争は、解散にほぼほぼ近づいているサインでなるべく取りたくない選択である。

日本のように、ある程度歳をとってからまた出てきても迎えてもらい売れるとかいう例は聞いたことがない。韓国では今でも、やはり容姿端麗であることは必須であり重要である。老けたものがアイドルあるいはアーティストと言って出てきても、そう簡単に注目されることはないだろう。あるとすればトロット歌手か伝統音楽家だけだ。

KPOPにとって、アイドルとは理想の美と若さとはつらつさと元気と個性と創造性を持って初めて認められるもの。しかもスキャンダルとは無縁で、かつ実力も相当になければならない。

その中で引き立つために、とてつもない努力をしているのが、アイドルの現状だと思う。だから今でも熾烈な席とり争いはつづいている。一瞬のすきもない。常に実力を高めておかないと、常にアイドルになりたくてかつ実力を持った若いものが待ち構えている。

その中にあって、いくらBTSといえども休止して自分探しの旅に出て、また戻ってこれるような世界だとはとても思えない。その頃には全く新しいものが流行っているだろう。

今の世の中は特に変化が激しい。EXOだってBIGBANGだって、あれほど世界的にも人気があったのに、今ではほとんど注目もされていないし、びっくりしちゃうのだが、ほんと若い子では知らない人も多い。そういう時代だ。誰も待ってはくれない。特に兵役も加味すれば、またBTSが7人そろって出てくるのはいったいいつなのか?ずっと先だと考えると、休止という決断は、「僕たちはもう帰らない、元通りにはならない」と言っているのと同じだ。これはもう彼らはほとんど戻る気がないことを示唆する。あるいは、わずか数か月で復活するつもりなのか。

加筆なのだが私は日本のテレビでのBTS報道は一切見ないが、たまたまつけたら古市氏がBTSの休止について極めてポジティブに感想を言っていた。いつも何かに忖度しないように見える彼だが、なぜか一方的にBTSの選択を褒めるばかり。しかも兵役があるから丁度良くここで成長するんじゃないのかとかなんとか。
何を言っているのか。まずこの人はKPOPの世界なんて全く知らないし、その厳しさの片りんも知らないのだなと思った。そして何かに確実に忖度している。実際、彼らの悲痛さと最後のナムジュンの言葉を聞けば、喜んで休止・あるいはよく見積もってもソロ活動に入るわけではないことぐらい一目瞭然であるし、ナムジュンが勇気をもって初めて事務所のやりかたに異議申し立てをした意味がない。

それにここでは兵役などなんの関係もない。今、芸能人の兵役はむしろやり遂げることで賞賛されスペックが上がるようになっている。そしてBTSは昔から兵役に行く心の準備はしてきている。だったらなおのこと兵役まで一緒にいようという思いが強くなるはずなのに、兵役秒読みでわざわざ悲痛宣言をしなくてもいいはずだ。どうせ、兵役で嫌でもしばらくはなれるのだから。それとこの悲痛な休止と、兵役と、彼らのここ数年の挙動不審を一緒くたにしないでくれないか?

なぜほぼほぼ解散している多くのグループがいつまでも休止状態でいるのか?

KPOPの多くのグループが、実際にはすでにグルで活動していないのに休止というのは、体裁を保つためだと思っている。解散となると、周りは騒がしくなり、また聞こえもよくない。休止とすれば、まだグループとしての物販で儲けができるし、いざとなれば復活もできるし、自己磨きをしている最中と言い訳できる。休止はもう活動に疲れ切ったというグループにとって最もありがたいあり方なのだ。

そこは日本と大分違うと思う。日本では解散ということはしばしばあるが、別に印象はわるくない。後先、歳をとって出てくるんだろうなと思うし、実際にそういう人達は元のファンに迎えられ普通に再結成をしている。韓国にもおじさんになった昔カッコよかったかも系の歌手はいるが、とても今のダンスにはついていけないし、センスもない。とりあえず、年配者として事務所に存続できているという感じに見える。
日本では休止を長くしておじさんになっても、ある程度キャラデザをし直してカッコつけて出てくるため、違和感がない。また違う形でいろいろと芸能活動のチャンスがある。KPOPの解散とJPOPの解散では重みと印象が違う。

でも先にも言ったように、やっぱり見かけや権威を優先する韓国では、若さと美貌と人気と顔面とダンスや歌のキレや新鮮さを求められるKPOPでは、おじさんおばさんになりましたがどうでしょう?といっても、もうすでにそこには大勢の人気者が席を占めている。
だから、ある意味ではBTSはそれを覚悟の上で、休止を選んだのだと思う。もう帰るところはないかもしれない、もう歳になれば相手にされない、歳を取ればできることは限られる・・・・ということを。

だとすると、究極を言えば彼らはすでに解散を選択したともいえる。実質の解散だ。そして、本当に個々の才能を伸ばして個々で作品を作り、時には一緒にコラボしたり、時にサプライズで7人で出たり、ぐらいに考えているのかもしれない。つまりソロ活動に舵を切ると決めたのだ。つまりもう7人が一つになって決して離れず、一つだからこそ生まれる奇跡のような素晴らしい個性の輝きは、手放してしまったのかもしれない。いや、手放してしまうことになるだろう、このままずるずるいくと。
BTSのソロ活動は本当に彼らの望みなのだろうか?

それは本当に彼らの希望なのだろうか?少なくともファンはそれを望んでいない。でもそれを選ばざるを得なかったとは推測できる。彼らがグループでいる限り、事務所はまだまだ激しい戦法で彼らを世界で売り続けるだろう。何よりやっかいなのは政治的な傀儡にされることだろう。そして彼らから甘い汁を吸いに来る多くの大人たちが、彼らをあの手この手で使おうとするだろう。でもそこから逃げられない。だとしたら、個々での活動に移行するしかなかったと。7人を守るために、7人が選んだ道、ともいえる。

BTSは自分たちで新しい事務所を作って独立すればいいじゃない?

ではどうして事務所を辞めるという決断ができないのだろうか?私はそこがどうしてもひっかかる。事情を知っている人たちはいろいろに言うが、こればかりは事務所とパンさんとBTSだけにしかわからない何かがあって、hybeを離れたくてもできない何かがあるのだろう。私が推測するに、事務所は彼らに信じられないくらい多額の投資をした。その結果何とかアジアの青年グループがアメリカで認められ、世界的にはなったが、そこにどれほどのお金が動いたか気が知れない。事務所としては、まだまだBTSには頑張って投資分を回収してもらわないと困るのではないか。そのようにしてしかまだまだアジアのグループが世界に知られることはできないのかと思うと、切なさを感じる。

でも・・・確かにかなりの額を稼ぎ出したのだから、もう十分な気がするのだが。ただ、hybeにはその先が正直、ない。BTSばかりをあまりに大事にしすぎて、他のメンツをおろそかにしてきた。最悪なのはハンビンをわずかの間に追い出したことだ。その時、ほんとにヒューマニティーのない会社だと思った。
そして後続が目立った活躍をしていない。また、もうアイドルとしては年寄りになりつつあるグルや昔売れたおじさん達をいくつも抱えている。これでは、投資してもあっという間にお金が尽きると思っているのだろうか?

しかしhybeの強硬路線は、私にはまったくBTSという自然体なアーティストには向かないと思う。ただ、BTSがああだからこそhybeがぐいぐいと押してくれてはじめて世界に出られたのも事実なのだ。しかしそこまでしても、結果的に7人ともまるで不幸せになっている。

それならば、そこそこだとしても鉄板のアミに支えられ、アミと一緒に成長していくつもりで新鮮で斬新でもっとヒューマニティーのある事務所を作ればいいのにと強く夢見てきた。

ナムジュンという経営者と、ユンギというプロデューサーがいて、ジミンという天才がいて、またほかのメンツも素晴らしい才能で光っている。7人の実力と個性をもってすればより素晴らしい事務所ができ、より素晴らしいアーティストになれると思うのだ。おそらく多くの人が、そう思うだろう。

確かにアイドルとしてはKPOPでは卒業だ。確かに独立すればつぶされるのかもしれない。
でも彼らはまだ若い。彼らがアーティストになるのは今からではないのか。また業界が何をしようと、ARMYの支えがあれば、お金も十分持っているのだし、もうそれで十分ではないのか。

なぜ、こんなに早く休止して離れてしまう必要があるのだろうか?
私にはそれが本当の彼らの思いだとは思えない。希望だとは思えない。というかそれ以前に希望が見えない。
それぞれのメンツの押しが強力にサポートして、彼らは人気をそこそこまで維持し、最初のうちはそこそこの話題にはなるだろう。でも今までさんざん大きな話題になってきたのも「BTS」だったからこそ。あとは本当に個人として見られるようになり、若い子はBTSなんて知らない、となる。その時、どうするのか?
想像してみよう。それぞれが個々に歌ったり踊ったりしているのを。イマイチ、という感じが最初からしないだろうか?何かパワー・迫力・光・強さ・ダイナミズムを感じさせない。と思わないだろうか?

「BTS」というブランド、その強力さに、本人達自身が気づいていない。


ついこの間まで、バンタンはこのメンバーでなければやっていけないと、一生僕たちは一つなんだと、言い続けてきたのではないのか。手をつながないと寝られないとまで男同士でいうほど仲が良く、仲良しすぎるほどだった。(BLじゃないよ!!)それは今でも同じだと思う。でもグルとして幸せに楽しく何より自分らしく続けられない背景があるだけなのだろうと思う。

ソロ活動に移行するには早すぎるBTSソロは成長のためと言えばカッコがつくが、7人で成長していかなければBTSとしての成長はない。

こんなに早くに休止つまり実質の解散状態になるということは、一つにはすでに計画があって、意外と早くにまた再開するつもりか、もう休止以外に選択はないほど追い詰められているかのどちらかしかない。

どちらにせよあまりにも早すぎる。彼らはまだまだ伸びるし、また違った作品をいくらでも作れるのに。
サプライズで、思ったよりも早くに再結成再集結してほしいと思う。あまりにのんびりしていると、KPOPの場合、ほんとに待ってはくれないからだ。いくら才能を磨いても、実力が上がっても、若い方顔面強い方シワがない方ぴちぴちの方ダンスがキレる方を選ぶ、それでKPOPの生き生きしたダイナミズムは生かされている。おじさんのいるところではないのだから。

なぜ?BTSのソロ活動と休止は、どう見ても無理があり、改めてかなしく、KPOPの繁栄自体にも影響する。



不本意だ。なんとも、かなしい。
私は自分がこんなに悲しむとは思わなかった。ここまで正直にBTSの批判をしてきたわりには、ずっとほんとに愛してきたから。というか、相当愛してきたらしい。私の眼には涙が浮かんでいる。

彼らの後、空いた席はすぐに埋まるだろう。誰も想像しえなかったライジングスターが出て切る可能性はいつでもある。でも一方でBTSのような特別な輝きと個性を持ったメンバーのそろうグルはもう出ない。


そしてBTSのソロ活動と突然の不在により、KPOP自体に活気が損なわれる可能性も大いにある。そちらの可能性のほうが大きい。BTS世代そしてその下の世代までは、明らかにBTSの勢いに乗じて自分たちも注目を浴びることになったし、BTSを意識し、追いかける中で成長し刺激を受け悔しいながらも大きな原動力としてBTS時代を共に生きてきたグループばかりだ。BTSはいわばKPOPのエンジンの役割をしてきており、それがなくなることは、KPOPにがっぽりと大きな穴があくことになるのと同じだ。もしかしたらやっかいなやつらがやっと消えるとこの超競争社会では思ってほくそ笑んでいる人もいるかもしれないが、事は反対に出る。BTSのパワーがためにありえたKPOPの世界的影響力、名声、ブランド力、求心力、魅力は一気にしぼみ、またそれをより盛り上げる存在もいまのところまったく育ってはいない。その事の重大さが他のグル、他のアーティスト、他の事務所などはわかっているのだろうか?

BTSがいなくなればこっちのもんだ、と他グルは勝手に喜んでいないだろうか?実際には彼らなしでは、エンジンは見ている方もかかりにくい。ただでさえ、BTSの後続が育っていない状態でこの事態を迎えてしまい、KPOPはおそらく長い停滞期に入るだろう。なんとなく人気あるかなくらいのグルがいくつかあって、オタクの押しがいて。という程度の文化に落ちるだろう。

いつ、また、BTSと同じほどのあるいはそれ以上に輝く存在がやってくるのか。
BTSの個々のメンバーは、本当に個々となって輝けるのか。

時代はかなしくも変化していく・・・

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